「音」といってもいろいろな音があります。
特に都会に住んでいると、様々な種類の音があふれていることに驚きます。
電車の中でイヤホンから聞こえてくるシャカシャカという音。携帯電話の呼び出し音。
通りに近いお家では、工事音や車の走行音なども、私たちを不快にする騒音のひとつです。
対策としては、室内の壁・天井・床の材料選びにも気をくばることが大切ですが、特に有効なのは、音の出入口となっている窓の防音性を高めることです。
「子どもの声がうるさい」
近隣住民からこうしたクレームが寄せられたことから、保育園や幼稚園では園庭で遊ぶ時間を制限しているというニュース、記憶に残っている人も多いはず。この音問題、実は窓が大きく関係しているのです。
窓の遮音性能は、サッシとガラスの組み合わせで決まります。
20~30年前に一般的だったのは、アルミフレームと単板ガラス。単板ガラスはその名前の通り、1枚のガラスです。
一般的な3mmの厚さのガラスの場合、遮音性は低く、音が通り抜けやすい構造になってしまっています。
現在、普及しているペアガラス(2枚ガラス)と比べた場合、どのくらいの差があるのでしょう。
状況や音域によって差がでますが、以前の単板ガラスサッシと現在のペアガラスを使った樹脂製窓では5~15db程度、小さくなるといわれています。
一般的に音は10db小さくなると、人間の耳には半減したように聞こえるといいますから、窓を変えるだけで、音の聞こえ方はガラリと変わります。
では、単板ガラスの窓をペアガラスにって…え?どうやるの?
方法はいくつかあります。
例えば、1つは ①窓の内側に、もう1つ窓をつけて2重窓にしてしまうこと。
この場合、遮音だけでなく、家の断熱性もあがり、お得です。
ペアガラスではありませんが、外のガラスと窓と窓の間の空気層、内側のガラスで疑似的にペアガラスの効果を出してしまうわけです。
その他にも、②窓を交換して、そもそも新しい最新の窓にしてしまう方法、③今のサッシをそのままに、入っている1枚ガラスを抜いて、金具つきのペアガラスを入れる方法など。
いずれの方法も長所・短所があるので、状況に応じた使い分けが重要です。
①2重窓で外の窓より厚いガラスを選ぶ
②2重窓で外窓と内窓の間隔を広げる
(※ただし広げすぎは×)
③ペアガラスで内側と外側のガラスの厚みを異なる組み合わせにする
どうして内と外のガラスの厚さを変えるのでしょうか?
実は音にはガラスで遮りにくい音、遮りやすい音があり、低い音域のもの(例えば室外機のモーター音など)は遮音しにくく、一方で、高い音域(ピアノの音や子どもの声など)は、遮りやすいのです。
一般に、高い音はガラスの厚さを増やしたペアガラスで聞こえにくくなる特性があります。
ただ、ペアガラスが万能かといえば、そうでもなく、ガラスは特定の音に振動・共鳴してしまい、遮音性能が低くなってしまう事があります。
全体的には遮音できるものの、一部の音だけ見逃してしまうクセがある、といった感じでしょうか。
このクセが厚みによって異なるので、厚みの違うガラスを使うと、より音を遮りやすいわけです。
また、こうしたペアガラスの弱点を本格的に克服したい場合には、防音特殊フィルムを挟んだガラスがもっとも効果的です。
◆二重窓にするだけで騒音・音漏れの悩み解消
室内へ入り込む音量を大きく軽減することで、騒音によるストレスや睡眠不足などを解消できます。
しかしながら、「入ってくる音」があるなら、「出る音」もあるのをお忘れなく。
騒音対策は、室内から室外へ漏れる生活音なども軽減できるので、ピアノの音やペットの鳴き声などの音漏れ対策にも有効です。